CONTAX スライドコピアを使ってフィルムのデジタル化

ニコンのフィルムデジタイズアダプター ES-2というのが発売されているのを知って、確かに、それを使えばフィルムのデジタル化が楽かも知れないと思いました。

撮影したフィルムでスキャンしないまま放っておいたものがだいぶあるので、購入を検討しました。

ES-2の先代でフィルムコピーアダプター ES-1というのもあったのですね。値段がES-2はそこそこするので、お手軽なES-1なら良いかもと思ったのですが、ES-1の仕様だとスリーブ状態のフィルムは何かホルダーを工夫しないとだめなんだろうなあと、しばらく考えていました。

しかしよくよく考えたら、コンタックスのスライドコピアを持っていたことに気づきました。

これです。

CONTAX Slide Copier
スライドコピア使用時の姿。CONTAXのオートベローズPCの取扱説明書の表紙をまねて撮ってみました。レンズの先についているのがスライドコピアです。カメラボディーはRTS、レンズは Makro Planar 60mm。

スライドコピアはオートベローズPCと組み合わせて使用するものです。上の写真ではフォーカシングレールも組み合わせています。なかなか恰好いいですね。往年のコンタックスは接写システムがけっこう充実していましたね。

ベローズ一式を購入した後、写真店のケースにスライドコピアが手頃な値段で新品同様の中古で置いてあったので、特に差し迫って使う目的があるわけではなかったけれど買ったことを思い出します。そして、ベローズ本体はよく使いましたが、スライドコピアを使ったことはほとんどなかったと思います。

これを使ってフィルムを撮影すればよいわけですね。今更ながら気づかされました。

早速使ってみます。
その際、スライドコピアに固定されているロールフィルムを巻き付けておくためのホルダー部が邪魔に思えたので外しました。
また、マクロスタンドを取り付けて真俯瞰で撮影することにしました。マクロスタンドの丸いステージとクレンメル(押さえ金具)は取り外します。
光源はフィルム観察用のライトボックスを使用しました。
レンズは Makro Planar 60mm、カメラは EOS 5D IV です(マウントアダプター使用)。Makro Planar 60mm をセットするにはレンズ前枠とスライドコピアをつなぐための「アダプターリング67mm」も必要です。

結果、このようなスタイルになりました。

CONTAX Slide Copier with Canon EOS 5D Mark IV
CONTAX スライドコピアを使ったフィルムデジタル化のセッティング


ニコンES-1やES-2を使うのに比べると大げさな感じもしますが、安定感はあるし、良い感じになっています。マクロスタンドがいい役割を担ってます。

※5D mark IV のボディーをオートベローズに装着するときは、ボディーのペンタ部の出っ張りがベローズのカメラ取り付け部と干渉するかどうかぎりぎりですので、注意が必要です。でも、装着、脱着を行ってもボディーにキズは付いていないようです。ベローズの「カメラマウント固定ノブ」を緩めて、適当な位置まで回しながらすると干渉を避けて取り付けることができます。装着後にヨコ位置からタテ位置に90度回そうとするときも気をつける必要があります。ちなみに5D mark II では干渉はせず、安心して装着、回転が行えましたs。

CONTAX Macro Stand
CONTAX マクロスタンド。割と便利な付属品です。

挟んだフィルムがだらんとなってしまうのが難点でしょうか。フィルム面へのほこりの付着も気になりました。ライトボックスとフィルムの距離が無い方が良いような気もしたのですが、まあこれで大丈夫かなという感じです。

撮影の操作感としては、フレーミングとピント合わせが最初少し面倒です。フィルム装着時も少し気をつかいます。それが決まってしまえば、次々と撮影できます。ほこりは常に注意する必要があります。

また Makro Planar 60mm ではF8かF11まで絞らないと画面の長辺端の写りが悪いです。

撮影した結果は、手持ちのフィルムスキャンのできる複合プリンターでスキャンしたものと比べて、格段にシャープな画像が得られました。ただし通常の設定のままだとコントラストが原板とくらべてだいぶ高くなるので、コントラストを下げる調整が必要ですね。色合いについても、ホワイトバランスに気をつけたとしても、原板そのままの再現は直ぐには難しいと感じました。画質の調整についてはまだ試行錯誤しなくてはなりません。