CONTAX スライドコピア を使ってフィルムのデジタル化(その2:ハーフサイズフィルム編)

CONTAX Slide Copier with FUJIFILM X-T1
CONTAX スライドコピアと FUJIFILM X-T1のセットでハーフサイズのフィルムをデジタル化

フィルムのデジタル化に秘蔵(死蔵?)していたコンタックスのスライドコピアが使えることがわかりました。
スライドコピアを使って、35mmフルサイズのデジタルカメラでほぼ等倍の撮影倍率でフィルムを撮影すれば良い訳です(撮影倍率は、実際にはフィルムの撮影範囲よりも一回り大きい範囲で撮りたいので等倍より少し低めの倍率、0.9倍とかになっているでしょう)。

35mm判の普通のフィルムカメラで撮ったフィルムを撮影する場合はこれで支障ありません。

しかし、撮影からパソコンでブラウズまでの一連の作業をしてみるとすぐに、ハーフサイズのフィルムの場合はこのセットだと居心地が悪いことに気づきました。

ハーフサイズのフィルムを撮影しようとすると、同じセットだとハーフサイズ2コマ分が1つの画面に収まります。そのままハーフサイズの2コマを一度に撮影してもよいのですが、画面中央の美味しいところが無駄になって、画面端は画質が低下するし、個別の露出調整がしづらいしで、その2コマ同時撮影はあまりしたくないところです。
したがって、ハーフサイズの1コマに絞って撮影しようとすると、横長の画面中央にその肝腎のコマをもっていき、画面の左右に前後のコマの一部を一緒にして写すことになります。

画面両側に余計な物が写っているこの状態が居心地が悪いのです。

撮影後パソコンに取り込んで、すぐにトリミングしてしまえばよいのですが、RAWにしろJPEGにしろ、撮影した元ファイルの状態が残されるワークフローでの作業が身に付いているので、永久的に画面両側の余計な物が付いてきます。

なんにしても、撮影時にハーフサイズの1コマ分だけをフレーミングして撮影するのが、精神衛生上良いやり方だと思いました。

そのためにどうすれば良いかというと、撮影するデジタルカメラの撮像画面サイズが35mmフルサイズでなく、ハーフサイズの大きさに合うような小さいものであればよいはずです。

※撮影倍率を等倍でなくて2倍程度にセットできれば、ハーフサイズ1コマ分だけのフレーミングができそうですが、このスライドコピアとMakro Planar 60mm の組み合せでは機構的に限界を超えてしまいました。焦点距離の短いレンズ、例えば Planar 50mm ではどうかというと、ハーフサイズ1コマ分のフレーミングはできるのですが、画質が Makro Planar のようには行きません。
※また、左右の画素が無駄になっていいから(オリンパス機のように)横:縦=3:4のアスペクトで撮影できればいいのですけどね。いや、RAWで撮るなら同じことかも。

さて、手持ちのカメラでマイクロフォーサーズ機のオリンパスのE-P1がありましたので、最初はそれを付けてみました。

「PENで撮影したフィルムをデジタルのPENでデジタル化する」という素敵な構想に自分でも大いに感慨をおぼえたのですが、これはダメでした。
マイクロフォーサーズだと画面サイズが小さすぎて、ハーフサイズの1コマは画面をかなりはみ出してしまいました。

落ち着いて調べれば当たり前でしたね。マイクロフォーサーズの撮像画面のサイズは17.3mm×13mmで35mmフルサイズ(36mm×24mm)の約4分の1の面積なのでした。一方ハーフサイズの画面サイズは24×18mmで、35mmフルサイズのまさに半分です(リコーオートハーフの場合は24×17mm)。

※もしも撮影倍率をもっと低くセットできるのであれば、画面に収まるようにできるはずですが、この場合も、機構的にこのスライドコピアとMakro Planar 60mm の組み合せでは限界を超えてしまっています。

ではAPS-C機ならどうなんでしょう。ものは試しでまずは付けてみます。

フジのX-T1でみてみると、(よかった!)丁度よい具合で画面に収めることができそうです。
X-T1の撮像素子サイズは23.5×15.6mmで、35mmフルサイズの面積の0.42倍です。0.5倍じゃなくても大丈夫でした。

キヤノンのAPS-C機ではどうでしょうか。撮像画面サイズ22.5×15.0mm(35mmフルサイズの面積の0.39倍)の20Dを付けてみます。ハーフサイズの長辺は大丈夫だけれど、短辺がぎりぎり収まってくれるかどうかというところで、少なくとも余裕はなかったです(しかもライブビュー機能がなくてファインダー視野率の低い20Dではフレーミングが難しくて作業が苦しかったです)。

APS-C機でも撮像画面サイズの少しの違いで適合するかどうかは微妙なところでした。

※20Dのボディーをオートベローズに装着するときは、普通に装着しようとすると、ボディーの頭の内蔵ストロボ格納部の出っ張りがベローズのカメラ取り付け部と干渉してしまいます。ベローズの「カメラマウント固定ノブ」を緩めて、干渉しないような位置まで回しながらすると取り付けられました。

結果、ハーフサイズのデジタル化にはX-T1を使うことになりそうです。
「フジのフィルムで撮影したものをフジのデジタルカメラでデジタル化する」ということですね。
とりあえずこのセットで試してみようと思います。