| EM-5IIで、アスペクト比を縦長の3:4に設定した時のモニター画面。カメラを普通に構えて縦長に撮れるところが肝腎 |
かねてからハーフサイズカメラでのお散歩街撮りを楽しんできましたが、多くのフィルムが製造停止となり、フィルム本体および現像の価格が高くなってしまった今では、その楽しみも気軽にできるものではなくなってしまいました。中古で手に入れたフィルムカメラを試写しようと思っても、その試しのためにフィルム一本を使うのは勇気が要ります。デジタルカメラでの撮影にくらべて、フィルムを使っての撮影は非常に贅沢なものとなってしまいました。
そこで、ハーフサイズカメラそのものは高くついてめったに使えないけれど、この慣れ親しんだハーフサイズカメラで撮る撮影の感覚だけでも、デジタルカメラで実現できないだろうかということをいつも考えています。
私が求めるハーフサイズカメラのような撮影感覚の条件としては、以下の点が挙げられます。
- 基本ポジションが縦長画面
- ピント調節は、段階式か固定
- 画角を確認するためのファインダーを搭載(ピント確認は不要)
- レンズの焦点距離は35mm換算で40mm前後
ハーフサイズカメラは、さっと構えて、さっと撮れるんです。こんなのをコンセプトにして、昔のペンのようなデザインのシンプルで上質なカメラをデジタルで作ってくれればうれしいのですが、そうはいかないですよね。
手元の機材では、次のものを用いた撮影を実行しています。ただ現状で理想の状態にはなっていません。
- A)オリンパス OM-D EM-5 II + M. Zuiko 17mm F2.8
- B)オリンパス PEN E-P1 + M. Zuiko 17mm F2.8
- C)M. Zuiko 17mm F2.8の代わりに、ボディーキャップレンズ BCL-1580(焦点距離15mm、F8固定)を使用
| EM-5II (Limited Edition Body)と17mmF2.8の組み合わせ。一眼レフスタイルになってしまうのがしょうがないところ |
| デジタルペンの初代機 PEN E-P1と17mmF2.8のセット。スタイルとしてはやはりこちらがよい |
A、Bどちらもオリンパス機です。これは1の条件を満たすことが大きな理由です。オリンパス機には(OM SYSYTEM機も)、アスペクト比が、基本の4:3や、3:2、1:1のほかに、縦長の3:4が用意されています。画面の左右が切り取られた形で画素が半分弱くらい無駄になるのですが、それを良しとして、この画面比が用意されていることがすばらしいです。きっと、ハーフサイズカメラを世に広めたオリンパスの意志を受け継ぐ設計者の方々の粋な計らいにちがいありません。他のメーカーでこの縦長アスペクト比を採用しているのを知らないです(難しい機能でもないことだと思うので、どのメーカーも採用してほしいです、とくにフジのXシリーズに採用してほしいです)。
条件2のピントの調節方法については、ABどちらもレンズが M. Zuiko 17mm F2.8では実現できてません。これをスナップショットフォーカス機能のある17mm F1.8 (旧型)にすればかなうのではないかと考えていますがどうなんでしょうか。17mm F1.8は高級感もありますし。現状は M. Zuiko 17mm F2.8を使う以上、ピントを都度合わせる必要が生じます。オートで素早く合うのですが、フォーカスポイントに気を使ったりするのが面倒な時がしばしば起こります。
マイクロフォーサーズの縦長3:4の画面で17mmレンズを使った時の画角は、35mm換算で焦点距離45mmレンズ相当となり、ハーフサイズのペンの30mmや32mmレンズの画角(35mm換算でそれぞれ焦点距離43mm、46mm相当)に近いものとなります。
| E-P1とボディキャップレンズBCL-1580の組み合わせ。見た目はあまり・・・ |
Cのボディキャップレンズは焦点距離15mmで、縦長3:4の画面で使った時は、35mm換算で40mm相当となり、ハーフサイズのペンの28mmレンズの画角(35mm換算で40mm相当)と同等になります。このレンズはレバー操作により、ピント位置を無限遠から最至近30cmまで調節でき、また、その間にパンフォーカスのクリック位置が設けられています(パンフォーカス位置と無限遠の間の調節は実質的には難しいです)。このピント調節の機能が条件2をクリアしていて、その点で使い勝手がとても良いです。というか、ピント調節のできるハーフサイズカメラそのものの感覚です。絞りはF8固定。画質については通常レンズにくらべて見劣りするものの、悪いわけではないので、実は有効な選択肢となります。ただこのレンズの残念な点は、プラスチック感が全面にでている質感の低さですね。ピント調節のレバーも当然プラスチックで頼りないです。しょうがないところではありますが。
マイクロフォーサーズ機のレンズでは、ほかに、ED 12mm F2 はより広角ですが(縦長3:4の画面で使った時の35mm換算で32mm相当)、17mm F1.8 (旧型)と同様にスナップショットフォーカス機能あるがので、候補にしてもよいかもですね。
Bの機材のE-P1では条件3が達成できていません。17mm用の外付けファインダーがあるのですが、それは基本の4:3の画面に対応したものなのでそのままは使えません。現行のPEN E-P7もコンパクトで外観も相応しいのですが、やはりファインダーがないのが惜しいです。また、一方、EM-5 II の方は見た目が一眼レフ感なので、それもやはり違うなと思っています。
オリンパスのPEN Fを買っておけばよかったとはつねづね思っています。一眼レフタイプでなくてファインダーも付いてますからね。発売時も、当然欲しいと思っていましたが、EM-5 IIの周辺に投資していた時期なので手が(資金が)回らなかったです。製造停止となる時期にも購入を検討したのですが、あっという間に品切れ、慌てて中古も調べましたが、新品より高値がついていたりして、結局買わずじまいでした。現在の中古価格も高いままで、ちょっと手を出せません。
また、マイクロフォーサーズ機ではないですが、オリンパス(OM System)のコンパクトカメラTG-7を入手したので、それを使用することも加わりました。これにもちゃんと用意されている縦長3:4のアスペクトを活用します。ズーム機能があるので、いままでにない画角で撮れるのは新発見です。ピント合わせについては、やはりフォーカスポイントを気にする必要があるのが面倒といえば面倒です。
というわけで、まだ理想のスタイルには全く達していない状況ではあります。理想に近いのは、PEN F + 17mm F1.8(旧型)のセットかもしれません(スナップショットフォーカス機能については要検討)。欲を言えば、PEN F のもう少しコンパクトな後継機を望みます。
※2025年6月に驚愕のデジタルハーフサイズカメラ、フジのX halfが発売されましたが、ここでは(所有もしていないので)それについては触れないでおきます。